30年わき目もふらず働いてきてやっと建てた新築の家に入居した日、通りすがりの人が下痢でトイレを貸して欲しいという。彼が帰ったあとを見るととても汚かった。それを見て逆上した父親は新築の家に火を付けてしまう。 夜中にうなされて起きてみると、祖母の霊がいる。祖母はお墓参りに来てくれないこ と恨んでいるようだったが、祖母は生きているはずである。やはりよく見ると、痴呆 の祖母であった。家族全員で、祖母にまだ死んでいないと説明するのだが。 天国ではお釈迦様が地獄に糸を垂らしている。芥川龍之介の「蜘蛛の糸」のように糸 は切れる。お釈迦様達は逃した魚はこんなに大きかったと自慢し合う。