鍋 ラノベ の検索結果 2件
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高校生魔王の決断
水口敬文 鍋島テツヒロ
魔王になって、お前のことを守ってやる!
実家の寺を継ぐことを目指す主人公・江本弘毅は少し口が悪いだけの高校生。幼なじみの天辻美佳や友人の近衛雅博らとごく普通の高校生生活を送っていた。
そんなある日、彼らのクラスに美少女転校生・エメラルディアがやってくる。彼女の顔を見た瞬間、弘毅は昨夜の出来事を思い出し恐怖を覚える。そんな彼に対してエメラルディアは自分のことを魔族であり魔王の娘だと語り、次期魔王になるために必要な『王の箱』と呼ばれる、魔王の力を封じ込められたピースを一緒に探すように命令してくる。あまりに唐突な彼女の言いように、弘毅は申し出を拒絶しようとするが、ピースがばら撒かれた原因が彼の祖母である真里菜にあるということを知らされる。突然聞かされた衝撃的な事実に弘毅は、祖母がなぜそのようなことをしたのか、そしてその真意が気になり、しぶしぶ彼女に協力する。だがそのことを知った美佳は危機感を感じ、ある計画を実行に移そうとする−−。
はたして弘毅とエメラルディアは『王の箱』を集めることができるのか? そして美佳の計画、真里菜の真実とは?
魔族の美少女と高校生坊主見習いが繰り広げるハートフルファンタジーシリーズ、堂々の開幕!
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。 -
箱庭の歳時記 ~この人を、愛そうと、決めた~
砂川雨路 カトーナオ
父を亡くし、天涯孤独となったいばらを引き取って夫となった扇唯一。だが23歳年上の夫が父の話をする時、いばらの胸は微かに疼く・・・・・・。
大晦日の昼下がり。高校生の扇いばらは、温かなマンションのダイニングであんこ作りに取りかかっていた。ザルに小豆をあけ、さっと水洗いする。手で豆を掻くと、ジャキジャキと小気味好い音が響く。これを雪平鍋に移し、たっぷり水を入れて、ガスコンロの火をつけて煮込む。高校の先輩たちに初詣に誘われたいばらだったが、保護者の同伴なしに深夜に外出するのは駄目だと、夫の唯一に止められた。沸騰してきた鍋を流しに運び、小豆をザルにあけた。いばらにとっては、初めて経験する日本のお正月になるはずで、すべてが新鮮だった。長くイギリスで暮らしてきたいばらは、日本の文化や行事をよく知らない。幼い頃に母と死に別れ、4か月前に父も亡くしたいばらを迎えにきたのが、父の大学の後輩の唯一だった。23歳年上の唯一と結婚して日本で暮らすことになったのだ。玄関の開く音がする。唯一が帰ってきた。「おかえりなさいませ、あなた」。棒読みの挨拶。唯一は「それ、やめなさい」と嫌がるが、いばらは夫婦らしいやりとりというものを試してみるのが好きだった。いばらと唯一、二人は秘密を抱えている――