ネオ ラノベ の検索結果 3件
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くくるくる
一肇 大朋めがね
ここには海より深い愛がある。
高校入学式の翌日、語木璃一は登校途中、八重桜の木の下で、一人の少女に出会った。璃一と同じ高校の制服を着た女子生徒。長くふわりとした髪を持つ小柄なその少女は、危なっかしく青い自転車の荷台の上に立ち、頭上へと手を伸ばし、桜の太い枝に荒縄をくくりつけている。それを見て璃一は思った。
「ひょっとしてこれは。首吊りってやつですか」
しかしそのあまりの容姿の美しさに、璃一は彼女が荒縄を首に装着するのをただ静かに見守っていた。やがて桜の花びらが降り、少女が宙に浮かんだ、と、同時にぶちんとものすごい音がしてそのまま落下した。彼女は「げうー」と言いながら、こんな悪態をついた。
「もう百二十二回め! また首吊りに失敗! これはもう呪われてるといってもいいんじゃないかな!」
自殺を試みようとするとなぜか天変地異が巻き起こり、どうしても死ねない少女・なゆた。そんな少女に一目惚れして延々とストーキングする少年・璃一。なゆたは天に誓う。
「いつか必ず死んでみせるの!」
そんななゆたに璃一は叫ぶ。
「ぼくと結婚してください!」
桜の下で巡りあい「括る繰る」でクルクル回る少年少女の不思議な恋物語!
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。 -
SICK -私のための怪物-
澱介エイド 花澤明
身を焦がす戦慄を力に、少女は恐怖を殺す。
「あなたを絶対に、ひとりぼっちにだけはさせないから」
少女はそう言って、幼い少年の手を取った。その約束が、いずれ最悪の形で破られてしまうとも知らずに――
〈ゾーン〉と呼ばれる精神世界に侵入できる異能を持つ叶音と逸流は、精神に巣食い恐怖症をもたらす概念生命体フォビアを殺す仕事を請け負っていた。彼女達の所に、視線恐怖症を患った少女が助けを求めにやってくる。
少女の〈ゾーン〉に潜った叶音が遭遇したのは、物語によって恐怖を育てる謎の奇術師。戦いの最中、奇術師は叶音に問いかける。
「あなたは目を背けていますね? おぞましい自分の過去から」
精神世界での激しい戦いは叶音の精神を摩り減らし、やがて彼女がひた隠しにしていた真実を暴き出していく。心が壊れ、正気を失い、戦いは絶望と恐怖にまみれた混沌の領域へと踏み込んでいく。
戦慄を力に変えて恐怖を殺す、ダーク・サイコアクション
※「ガ報」付き!
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。 -
育ちざかりの教え子がやけにエモい
鈴木大輔 DSマイル
「ねね、お兄って童貞?」「ノーコメント」。
椿屋ひなた、14歳。
新米教師の俺、小野寺達也が預かる生徒であり、昔からのお隣さんだ。
とびぬけて発育がよく、容姿にも恵まれた彼女は、何かとウワサの種になりがちで――。
「あいつ絶対ヤってるっしょ」「もう大人じゃんアレ」「小学校の時に三股かけてたって」
「ていうかヤらせてほしい」「ラブホに入るところ見たよ」「キレーだね。正直やばいね」
「なんか特別だからあの子って。身構えちゃうよ誰だって」
だけど本当の彼女は、見た目よりずっと幼かったりする。
「ねえねえお兄。だっこして、だっこ」
「しません。お前ももういい歳なんだから」
「えーなんでー!? 昔みたいにだっこしてよぅ。ねえねえ、だっこだっこ-!」
――大人と子どもの間で揺らぐ、この瞬間にしかない輝き。
――ひとあし先に大人になってしまった者にとって、それは直視しがたいほどの目映さで。
「ていうかお兄って童貞?」
「やめなさい中学生がそういう質問するの」
いつか遠いどこかへ羽ばたいていくこいつを、せめて今だけは支えてやれるように。
今日も俺は、椿屋ひなたと向き合っている。
“育ち盛りすぎる中学生”とおくる、エモ×尊みラブコメ!
※「ガ報」付き!
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。