1965年 コミック の検索結果 3件
-
ヨシボーの犯罪
つげ義春
▼第1話/ある一夜▼第2話/蟻地獄▼第3話/女忍▼第4話/なぜ殺らなかった▼第5話/ねずみ▼第6話/庶民御宿▼第7話/ヨシボーの犯罪▼第8話/魚石▼第9話/窓の手▼第10話/少年▼第11話/近所の景色▼第12話/ある無名作家 ●登場人物/私(語り手。くぼ地の集落に散歩に行く/近所の景色)。李さん(くぼ地にすむ朝鮮人。大きな雷魚を飼っている/近所の景色) ●あらすじ/うまそうな女か、まずそうな女か…、ピンセットで一センチほどさしてみるとほぼわかる。ピンセットの血を洗う。水の中でピンセットを小さく折り曲げ、手中にかくす。五十歳まで拘禁されたら、青春は、とりもどせない。なんとしてもかくし通さなければ…。いつか夢でみたような、どこかなつかしく残酷な超現実の世界(第7話)。▼私の家のそばに、くぼ地にバラック建ての家が並んだ一角があった。今にも朽ち果ててしまいそうだが自然のぬくもりが感じられる、そんな一角に散歩に出向いてぼんやりと過ごすことが好きだった。そうすることで気持ちが安まるのだった。しかし今、集落は立ちのき問題でゆれていた。そこに住む顔見知りの李さんは、一メートルはある大きな雷魚を飼っていて…(第11話)。 ●本巻の特徴/深層心理に光をあて展開される、印象的な風景を描いた表題作のほか、人間の欲望が関係性をゆがめていく皮肉な結末の作品群や、日常の中の生活の手ざわりを切り取ってみせる一連の作品など、独自の世界観が表現されている。 ●その他の登場キャラクター/女忍(第3話)、犬丸入道重勝(第3話)、助佐(第3話)、行商人Kさん(第6話)、私(第8話)、T君(第8話)、グロリア(第9話)、義坊(第10話)、カズ子(第10話)、安井(第12話)、奥田伸一(第12話)、木山君(第12話)●その他のデータ/発表された年・月~ある一夜(1958年12月)、蟻地獄(1960年 4月)女忍(1960年5月)、なぜ殺らなかった(1961年4月)、ねずみ(1965年2 月)、庶民御宿(1975年4月)、ヨシボーの犯罪(1979年9月)、魚石(1979年 10月)、窓の手(1980年3月)、少年(1981年7月)、近所の景色(1981年10月)、ある無名作家(1984年9月) 解説 ~川本三郎(評論家)
-
ねこ目の少女
楳図かずお
1965年、『少女フレンド』に4回連載された作品の単行本を完全復刻したものです。加賀家の領主家にまつわる双子の忌まわしい伝説を基に、ねこの怨念が戦慄の現代ホラーに生まれ変わった、著者の代表作のひとつ。 物語は、加賀家の領主に、美しい花姫と領主が忌み嫌うねこ目の雪姫の双子がいたのだが、父親に毒殺された雪姫が最期に彫った猫の置物が、現代の加賀家の末裔の庭から掘り起こされ、そこから美しい姉妹、ひとみと木の実に異変が起こりはじめる…。
楳図少女ホラーの黄金期のスタートとなった記念碑的傑作の登場です。 -
城跡にひそかに集まれ!!
楳図かずお
著者が、「ママがこわい」(『少女フレンド』)でデビューする直前の1965年に刊行された貸本単行本です。自ら「底抜けに明るく」描いたと記している通り、ホラーの楳図としては異色のコメディタッチの作品です。 女が男に絶対服従の町で、女たちは「紅玉隊」、男たちは「白玉隊」を結成し、ついに激突の火蓋が切られるが、恋仲の高校生ぺアの思わぬ行動で事件は意外な結末へ…。完成された絵柄とスピーディーな展開で、からっと明るい明朗青春ユーモア物語となっています。のちの「アゲイン」「まことちゃん」へとつながる、楳図コメディ・ギャグのルーツといえる実験的作品で、楳図ワールドを知る上で貴重な復刻といえます。解説小冊子付。