景色 男性 ラノベ の検索結果 3件
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妖姫のおとむらい
こずみっく 希
幻想グルメをご堪能あれ。
ある日、比良坂半は旅先で奇妙な空間に迷いこむ。
そこで妖の少女と出会い、未知なる食の存在を知る。
それからというもの、どうにも変な場所、変な空間に迷いこむ癖ができてしまったようで、以降たびたびそういった場所や者や物と遭遇してしまう。
それは旅愁とか郷愁に訴えかける、ちょっと古い時代の景色のように見えて、正確にはそうではない。
例えば古書に語られるような妖怪と出会ったり、一見猫の額程度の藪の中で、うろんな器物に迷わされたり、あるいは山奥の奇妙な村落で、幻の沼地を巡る儀式に巻きこまれたり----。
妖の少女、妖姫はそんな青年と行を共にして、彼を救ったり救わなかったり。
そうして青年は、時々発作的に訳のわからない食欲を妖の少女に催したりもして----。
第一話:「風鈴ライチの音色」
第二話:「焼き立て琥珀パンの匂い」
第三話:「ツグミ貝の杯の触り心地」
第四話:「ホロホロ肉の歯ごたえ」
幻想的な旅と、奇妙な味覚の数々。
そして、二人の旅はゆるゆると、続く----。
レイルソフト所属の実力派ライター希氏がおくる、幻想奇譚に乞うご期待!
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。 -
ヒイラギエイク
海津ゆたか やすも
走って行かなきゃいけない夏がある。
中学二年生、夏休み。あの村で僕、荻原出海は仁科美音と出会った。
望んでいたはずの静かな夏とは違う、騒がしくて賑やかな日々。都会の喧噪や家庭の事情からやっと離れられたと思っていたのに、僕を待っていたのはそんな毎日だった。都会から来た僕には、それが少し気恥ずかしくて、それが少し煩わしくて……。それでも美音はいつも僕に笑顔を向けてくれた。
青い空、入道雲、蝉の声、小川のせせらぎ、打ち上げ花火、夜空に輝く天の川。あの夏のぜんぶの景色に美音がいた。中学二年生の僕は、この一瞬が永遠に続くと思っていた。あの夏はずっと終わらないと思っていた。けれども、時計は針を刻む。時間は未来への一方通行で、どんなに願ってもひとつひとつ年を重ねていくのがコトワリだ。
やり直せない過去。取り戻せない夏――だからこそ僕は、走り続けなきゃいけない。どれだけの時間が過ぎていっても、どれだけの距離が離れていても、もう一度君に会いたい夏があるから。
第10回小学館ライトノベル大賞・優秀賞受賞作。新進気鋭のイラストレーター・やすもがイラストを担当。忘れられないあの夏に会いに行く、少年少女の青春グラフィティー。
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。 -
ワールズエンド・ガールフレンド
荒川工 くまおり純
こんなにも、懐かしいのは……。
もしその人の世界をかたちづくるのが記憶なら、それを失くした彼女は世界の果てに放り出されたようなものだーー。
「ねえ、『ここが世界の果てなら』って。そう考えたらいいと思う」
夜の公園で、君の奇抜の提案に、俺はつい言葉に詰まる。
世界の果て、世界の終わりーー果てと終わりの向こうには未知が広がる。それはそこにたどり着いた誰かの可能性そのもの。
「ねえ、そしたらその先は、誰もが初めて見る景色だから。
誰も見たこと無いならさ、それは自分だけのものじゃない?
だから、不安なんてただの古い世界の言い伝えって思えば……」
そんなふうに思えたら、俺はなにも考えずにいま君を抱きしめることも出来るんだろうか。
「……ねえ、わたしのこと好き?」
双子の姉妹、まひると真夜。幼なじみの少年、慎司。それぞれに恋心を抱きながら育ち、やがて高校生となったある日、真夜は事故により記憶を失い、日常がゆるやかに崩壊をはじめる。
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。