ビッグコミック
ビッグコミックの作品 255 件
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ましろ日
香川まさひと 若狭星
「加瀬ひかり(27)。安芸信用金庫・広島支店、営業。」
「田所順平(16)。高校2年。部活、合唱部。」
「若山正太郎(16)。中卒。職業、病院清掃。」
同じ町に住む3人は、いまだお互いを知らない。
だが、彼らには共通点がある。
そして、やがて彼らは出合うだろう。
ひとつの言葉の下に、
ひとつのつながりの下に、
そして、ひとつの覚悟の下に――。
現代の広島を舞台に、苦難を抱える人々の絶望と奮闘、希望を描く
骨太ヒューマンドラマが、いま始まる。 -
シャレにナラナイさん
伊藤和良
日本人にとってダジャレとは何かを「問う」作品がとうとう出ました。バイト先の先輩女子・ナラナイさんが並ならぬダジャレの求道者であることに気づいた主人公・岩瀬がダジャレの修行に巻き込まれてしまう物語です。
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星を継ぐもの
星野之宣 J・P・ホーガン
SF文学の金字塔に新解釈を加えて漫画化!
時空を超えるミステリー!
西暦205X年、月で深紅の宇宙服をまとった死体が発見された。
だが、どれほど歴史をさかのぼっても該当者は見当たらない。
そして誰も予見しない驚愕の事実が浮かび上がる。
遺体はなんと5万年も前のものと鑑定されたのだ!
ネアンデルタール人やクロマニョン人が毛皮や石器を身に着けていた5万年前に、月に宇宙服を着た人が!?
SF文学界の巨星・ホーガンの名作を、漫画界の巨星・星野之宣が独自の解釈を加えて描く! -
未来からのホットライン
星野之宣 J・P・ホーガン
黄金コンビが巨大なテーマ「時間」に挑む!
2020年、物理学者チャールズ・ロスはタウ波を発見。これを利用して過去にメッセージを送ることに成功した。同じ頃、核融合発電という未来的なエネルギー技術が、試運転を開始する。だがその未来に暗雲が!? 最愛の人との出会いという個人的な宝と、世界の運命が天秤にかけられる時、恋人たちはどう生きどう決断したのか!? 時間をテーマにした壮大で切ないストーリー。 -
黄金のラフ2〜草太の恋〜
なかいま強
運動能力は抜群だが、頭の中身がやや残念なため、勝てないプロゴルファー藤本草太は、仲間たちと組んでアメリカで1勝を上げた後、ケンカ別れ、日本に戻る。その後国内でも一向に予選通過できず腐っていた。
一方千葉県のゴルフ場で、働きながら女子プロを目指す張場美波里は、プロライセンスへの狭き門の手前で内に秘めたイケイケ気質を抑えかね悶えていた。
そんな時、草太のバイト先・モンキーローンが倒産危機に陥った! その渦中で、運命の偶然により草太と美波里は出逢ってしまった。さてさてどんな化学反応が生まれるか……? -
星野之宣短編集-龍星-
星野之宣
5年ぶりの刊行となる星野之宣短編集。頭からは「恐竜」の短編、後ろからは「宇宙」の短編を「両A面」で読める形式です。未発表作や単行本初収録作も多数収録。カラーページも30ページ超収録の短編集です。
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そのたくさんが愛のなか。
吉田聡
夢と浪漫あふれる1970’s――――
バイクを飛ばし、徹夜で遊び明かした。
大喧嘩をして、大失恋をした。
輝かしくも痛ましい青春時代から歳月は流れ、
オヤジとなったかつての少年たちが、今!!
笑いあり、悩みあり、喧嘩あり、恋愛あり。
美しい海と空に囲まれた逗子の町で
オヤジたちの青春劇、開幕!!!! -
改訂版「ゴルゴ13」リーダーズ・チョイス
さいとう・たかを
読者が選ぶ至高の13作品決定!!
「ゴルゴ13」掲載誌のビッグコミックで、Gの600話を超えるエピソードの中から、一番面白かったエピソードを募りました。2度にわたる大規模アンケートから、ユニークな結果が得られました。かねてより名作の誉れ高かった作品、最近話題を呼んだ作品、今の時代だからこそ支持を集めた作品、それらがバランス良く並びました。「ゴルゴ13」が長年にわたって愛されてきたことの証左と言えます。
2001年に発売された「リーダーズ・チョイス」より、さらに厚みを増してアップ・トゥー・デートされた今回の改訂版、Gファンならずとも必携の一冊と言えます。 -
ゴルゴ13 ASSASSIN IMPOSSIBLE!
さいとう・たかを
「メデジンカルテル」「110度の狙点」「ジョーカーを砕く」の不可能な3編を収録!
この世の“常識”を遙かに超えた、ゴルゴの超暗殺術に驚愕!
※本書は廉価版シリーズ「マイファーストビッグ」を底本とした、テーマごとによる再編集セレクション版です。 -
ゴルゴ13 GOD ONLY KNOWS
さいとう・たかを
紛争の火種、中東編「アム・シャラーの砲身」「KING OF BIRDS」「レバノンの焦燥」の3編を収録!
ゴルゴが“彼の地”にもたらすのは罪の報いか?
※本書は廉価版シリーズ「マイファーストビッグ」を底本とした、テーマごとによる再編集セレクション版です。 -
ゴルゴ13 CHAIN OF VIOLENCE
さいとう・たかを
「ラストジハード 最後の聖戦」「スナイパーストリート」「スティンガー」「正義を行なう者 ジュスチセイロス」の4編を収録!
世界中にはびこる“暴力の連鎖”止むことのない闘いに、ゴルゴは?
※本書は廉価版シリーズ「マイファーストビッグ」を底本とした、テーマごとによる再編集セレクション版です。 -
ゴルゴ13 MADE IN JAPAN
さいとう・たかを
ジャパン アズ ナンバー1!? 「ジャパン・オリジナル」「東亜共同体」「F-1サーカス」の3編を収録!
ゴルゴの銃弾が守るのは、日本の“技術”か“プライド”か?
※本書は廉価版シリーズ「マイファーストビッグ」を底本とした、テーマごとによる再編集セレクション版です。 -
ゴルゴ13 LADY JOKER
さいとう・たかを
「レディ・ビッチ」「ザ・イルカ」「アカプルコ 散華の夜」色香漂う3編を収録!
ゴルゴ13対美女軍団!“悪女”の秘めた野望が牙をむく!
※本書は廉価版シリーズ「マイファーストビッグ」を底本とした、テーマごとによる再編集セレクション版です。 -
ゴルゴ13 ONE MAN ARMY
さいとう・たかを
「崩壊 第四帝国 狼の巣」「地獄からの生還者」最強戦士物語!2編を収録!
たったひとりの“最強軍隊”ゴルゴ13の戦闘巨編!
※本書は廉価版シリーズ「マイファーストビッグ」を底本とした、テーマごとによる再編集セレクション版です。 -
さいとう・たかをセレクション BEST13 of ゴルゴ13
さいとう・たかを
▼第1話/死闘ダイヤ・カット・ダイヤ▼第2話/檻の中の眠り▼第3話/2万5千年の荒野▼第4話/MOSCOW DOLL▼第5話/すべて人民のもの▼第6話/ルート95▼第7話/マークのリクエスト▼第8話/落日の死骸▼第9話/夜は消えず▼第10話/ジェットストリーム▼第11話/駅馬車の通った町▼第12話/神に贈られし物▼第13話/BEST BANK●主な登場人物/デューク・東郷(通称“ゴルゴ13”。年齢・国籍などは一切不明。類稀なる頭脳と身体能力を持つ、凄腕のスナイパー)●あらすじ/世界最高級の宝石・ダイヤモンドは、その産出から販売に到るまで、世界で唯一、アングロ=デ・ロアズ社によって独占されている。そのデ・ロアズ社に敗れたバウチ鉱山オーナーのホワイトロックは、巨大な資金力をバックに巻き返しを図り、ゴルゴにある依頼をする…(第1話「死闘ダイヤ・カット・ダイヤ」)。●本巻の特徴/著者自身が厳選した13作品は、大ヒット単行本『リーダーズ・チョイス BEST13 of ゴルゴ13』とは一切重複なし。2冊揃えれば、文字どおりのベスト・オブ・ベスト!!
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細野不二彦短編集
細野不二彦
細野氏の職人的な「匠の技」を1話1話に感じさせます。著者のファンならずとも是非、細野ワールドに飛び込んでみてください!
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決定版カムイ伝全集 【外伝】電子版別冊 再会の巻
白土三平 岡本鉄二
江戸時代、下総国・手賀沼の干拓地は、活気に満ちていた。食い扶持と賃金に惹かれ、出稼ぎの労働者が各地から大量に流れ込んでいた。その中に…カムイの幼なじみにして、現シングルマザー、そしてカムイと同じく抜け忍となった女・伊児奈(イコナ)がいた。そして追われるものと同様に、追うもの即ち抜け忍狩りの忍者たちもまた、人の群れに紛れ込んでいる。昼間の厳しい労働の裏で、夜闇に紛れて忍者同士の死闘が繰り広げられる。だが、決して姿を現さない何者かに一人また一人と忍者たちは倒されていく。「あの男」も誰かに化けてここにいるのか? それは誰か? カムイ伝第二部完結後、ほぼ十年ぶりに描き下ろされた読み切り三部作。単行本未収録作品がついに電子版配信開始!
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新おみやさん
石ノ森章太郎 香川まさひと 木村直巳
数々の未解決事件の謎を解く!!
毎日どこかで犯罪は発生する。その中には、解決できずに迷宮入りしてしまう事件もある。
そんな難事件を専門に捜査するのは、京都草壁署・資料課課長の鳥居勘三郎。どことなく柔らかく、冴えない風貌とは裏腹に、その頭脳は冴え渡っている。
彼が優れた観察力と洞察力でお宮入りした事件を解決するとき、あなたは人間の持つ恐ろしさと温かさを目にするだろう。 -
狩撫麻礼 拳闘短編集 feat.園田光慶
狩撫麻礼 園田光慶
追悼、狩撫麻礼−−−−
80年から81年「ビッグコミック」誌上で、
魂の原作者、狩撫麻礼とさいとう・たかおが自分よりうまいと絶賛した
早逝の天才・園田光慶が繰り広げた珠玉のボクシング連作8編! -
水木しげるの遠野物語
水木しげる 柳田國男
妖怪コミックの聖典誕生。遠野物語を水木氏が漫画化!
ザシキワラシ、河童、鬼……岩手県遠野市の厳しい自然の中で、人々の想像力が生み出した妖怪たちが、今動き始める! 柳田國男氏の名著『遠野物語』は、100年前のベストセラーにして日本民俗学の原点ともなった名著です。これを水木しげる氏がコミック化。格調高い文語体で書かれた原書の魅力を、水木氏ならではの想像力・描写力で完全にビジュアル化し、新たな魅力を作りあげています。ザワザワと心騒ぐ、日本の風土から生まれた怪異の世界。さらに『遠野物語』と『水木しげるの遠野物語』、百年を隔てたこのふたつの本を生み出す母胎・揺籃となった遠野地方の、現在まで残る豊穣な風土をレポートするコラム「2010年遠野の風景」も併録。 -
ホテル ビッグコミック版
石ノ森章太郎
大型ホテルを舞台に繰り広げられる人間模様を描いた人気作!
▼第1話/オープニングストーリー▼第2話/ネバーチェックアウト▼第3話/大安吉日▼第4話/須田の婆さん▼第5話/女優▼第6話/オーバーブッキング▼第7話/モンスターズ・クリスマス▼第8話/109(テンク)の鐘▼第9話/雪螢 ●登場人物/東堂克生(プラトン・マネージャー)、松田利春(プラトン・フロントマン)、山崎(プラトン・ベテラン・スタッフ) ●あらすじ/田舎から出てきた老夫婦、人気アイドルの斎東かおる、政界に打って出ようと意欲満々の横山たかし……、大型ホテル・プラトンには、今日も様々な人が訪れる。しかし、なかには怪しげな人もいて…(第1話)。▼プラトンには、何年も前から封印されたままの部屋・908号室がある。若いスタッフはその空き部屋をチェックしようとするのだが、先輩・水野は例外だからそのままにしておけという。実はその部屋には以前、老人が8年も暮らしていたいたのだが…(第2話)。 ●その他の登場キャラクター/プラトン契約医師・神保(第3、6話) -
憂国のラスプーチン
佐藤優 伊藤潤二 長崎尚志
巨悪は検察が作る!? 国策捜査の真相を暴く!
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レインマン
星野之宣
主人公・雨宮瀑は母の死を契機に、超心理学研究所に勤める。そんな時、瀑に瓜二つの男が瀑の目の前で自殺。そして精密検査で瀑には脳のないことが判明した。連続する怪事件の意味は? 宇宙を、そして歴史を経巡り物語を紡いできた巨匠挑む、「人間に秘められた力」の世界!?
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サバンナ
白土三平
▼第1話/サバンナ(第1部・前編)(第1部・後編)(第2部)(第3部・前編)(第3部・中編)(第3部・後編)▼第2話/naaTa(ナータ)▼第3話/ドラ―ある病め る少女の夢―
●あらすじ/まだ人間が言葉すら持たなかった原始。密林と砂漠のサバンナを、一人の女がさまよっていた。全ての感情を全身で表し、弱肉強食の世界を生きる女は、2体の泥人形を作りあげる。しかし、女は狩人に槍で刺され殺されてしまい、その血を浴びた泥人形は、二人の嬰児に姿を変える…(第1話・第1部・前編)。
●本巻の特徴/太古の昔から果てしなく続く人間の命の営みを、一言のセリフも無しに壮大なスケールで描く表題作「サバンナ」の他、インディオの穀物神話に依拠した「ナータ」、フロイトが1905年に発表した論文『あるヒステリー患者の分析の断片』に想を得た「ドラ」の3編を収録した「神話伝説シリーズ」。その名にふさわしい異色の力作。初出は「サバンナ」1974年12月~1975年7月、「ナータ」1974年10月、「ドラ」1976年7月~8月。
●その他のデータ/巻末に四方田犬彦氏のエッセイ「歴史から神話へ」を収録。 -
白土三平異色作品集 泣き原
白土三平
▼第1話/雨女(あまめ)の島 (神話伝説シリーズ今昔物語より)▼第2話/泣き原(なきがはら) (女星シリーズ)▼第3話/犬狩り (女星シリーズ)
●主な登場人物/▼雨女の島/八州一(やしまはじめ。復員後、山中で倒れていた雨女を助けた事をきっかけに、波瀾に満ちた人生を歩み、後に日本を代表する実業家になる)、鏡雨女(かがみあまめ。山の中に隠れるように建つ名家の美女。自分を救ってくれた一に夢中になる)▼泣き原/磯村香(神奈川県平塚の宿・虫窪で、一人小さな峠の茶屋を営みながら、戦争から戻ってこない夫を待ち続ける)、磯村五郎(春の夫。南方に出兵したまま、20年間行方知れず)▼犬狩り/山田(都心から2時間ほどの地方都市で、市役所の苦情係を担当する平凡な中年公務員)、ゴロ(猟犬の血を引く、山田家の飼い犬。最初はおとなしかったが、後に手がつけられないほど凶暴に)
●あらすじ/磯村春は終戦から20年間毎日、「泣き原」と呼ばれる、海に向かった丘に立って夫・五郎を待っていた。五郎は南方へ出兵したまま、戦争が終わっても復員してこなかったのだ。女手一つで一人娘・道子を育ててきた春は、道子の結婚を機に気持ちの整理をつけるため、夫の戦死地である南方への墓参団に参加。ソロモン諸島のある島で、春は聞き覚えのある懐かしい草笛の音色を聞くが…(第2話)。
●本巻の特徴/戦争のため海の向こうで死んでいった人々の慟哭が聞こえ、残された者の悲しみが痛切に伝わってくる表題作の他、復員兵・八州一、名家の美女・雨女と、裏で糸を引く謎の老人を巡る、戦後の混沌の時代から現代までの物語「雨女の島」、野性を呼び覚まされた動物の恐ろしさと、動物を飼う事に対しての人間の身勝手さを描いた「犬狩り」の全3編を収録した、異色作品集。いずれも初出は81年。
●その他のデータ/巻末に美術館学芸員・美術評論家の正木基氏によるエッセイ「白土三平一一絵が物語ること」を収録。 -
白土三平異色作品集 七ツ桶の岩
白土三平
世界各地の伝承話をモチーフに翻案した異色作「神話伝説シリーズ」。神話伝説の持つ原始的なエネルギーを大胆な舞台設定で全開! 日常の隙間に潜む妖しくも美しい光りと影を力強いタッチで描き出している。
▼第1話/七ツ桶の岩▼第2話/人身沼▼第3話/戦争▼第4話/野犬▼第5話/孤島の出来事▼第6話/釣▼第7話/人獣の宿
●登場人物/草加竜之進(父母一族の仇を打つため放浪を続ける武士)。弥七(神様といわれるほどの技術を持つ漁師)。サキ(弥七の孫娘)
●あらすじ/藩主・日置弾正を父母一族の仇とねらう草加竜之進。彼はその放浪の旅の途中で老漁師・弥七とその孫娘・サキと知り合う。弥七と幻の 漁場へ漁に出た竜之進は、海に生きる男の生き様を目にして、自分の武士としての生き方をもう一度考え直す。しかし、夜中再び幻の漁場を目指して海に出た弥七は嵐に巻き込まれて……(七ツ桶の岩)。▼「天下泰平万民の幸せのため」として近隣諸国に魔の手を伸ばす戦国大名・魔壁道三。道三の言葉を信じる忍者・夜鷹は敵城主の暗殺に際して片手を失い、敵として忍び込んできた姉の首もはねた。そんな中、城のすぐそばで起こった山津波のときに夜鷹がとった手段とは……(人身沼)。
●本巻の特徴/60年代の作品を中心としたこの短編集は、その後の白土三平とはひと味違ったスタイルの作品も収録。彼の作品世界の広がりを理解するためにも見逃せない。 -
バッコス
白土三平
▼第1部/誕生編▼第2部/放浪編
●登場人物/バッコス(数奇な運命をたどる少年)、ゼウス(偶然手に入れた多くの牛をもとに権力を得た男。バッコスを奴隷のように扱っていたが、やがて…)、マーゴ(バッコスと恋仲になる少女)、キロン(雨乞いをする祈祷師。バッコスにいたぶられることを至上の喜びとする倒錯者)
●あらすじ/1800年代、アフリカ東部。旱魃(かんばつ)で全滅したある村の中に、奇跡的に生き長らえた一人の嬰児がいた。その子は、突然のスコールによってできた激流に飲み込まれ、泥の中に埋まってしまうが、通りがかった牛飼いの男によって助けられる。心優しい男は、その子を「バッコス(芽生えるものという意味)」と名付けた。だが男は、落石に遭い、死んでしまう。そこへやって来たのが、他人の妻に手を出した罰として、ある村を追放されたゼウスという男だった。彼は偶然手にした多くの牛とバッコスを連れて、元いた村に帰る。そこから事態は思いがけない方向へ…。
●本巻の特徴/ゼウスの財産に惹かれた村の者たちは、再び彼を村に迎え入れた。ゼウスがその財力を武器に権力者になっていく一方、バッコスは誰からも人として扱われず、家畜の糞尿の中だけを安息の地として、孤独に、非人間的に成長していった。ゼウスとの愛憎、自分に優しくしてくれた動物や、少女・マーゴ、祈祷師・キロンとの出会いなどを通して、バッコスは激動の生涯を送っていく…。アフリカの大地を舞台に、権力や性に対する人間の原始的な欲望や、自然界の摂理を描く。神話伝説シリーズの中でも最長の作品で、衝撃的なシーンも数多く登場する問題作(物語は2巻へと続く)。初出は「第1部/誕生編」1976年8月〜1977年1月、「第2部/放浪編」1977年1月〜4月。
●その他のデータ/巻末に、四方田犬彦氏によるエッセイ「孤児のカリスマ」を収録。詳しい作品の解説がなされている。 -
ペンテウス
白土三平
▼「ペンテウス」▼第1話/エウロペの誘拐▼第2話/アクタエオン▼第3話/セメレ▼第4話/スパルトイの後裔▼第5話/バッコス▼第6話/キタイロンの惨劇 ▼「カイネウス」<ギリシア編>
●あらすじ/神々の国・オリンポス。下界の様子を眺めていた、世界の支配者である神・ゼウスは、ポエニケの王・アゲノルの治める土地で大蛇ピュトンが暴れていることに気付いた。ゼウスは息子・ヘルメスを蜂に変身させ、下界へと送る。ヘルメスは、一匹の牛に入り込み、アゲノルの娘・エウロペを連れ去る。アゲノルは息子であり、エウロペの兄であるカドモスに探索を命じ、「見つけ出せなかったら、二度と帰ってくるな」と告げた。しかし、その旅は苦難の連続。何年か後、仲間の兵士たちをピュトンに全滅させられたカドモスは、一人でその強大な敵に立ち向かう…(第1話)。
●本巻の特徴/カドモスはその後、テーバイという都を築き、子や孫に恵まれるが、末裔・ペンテウスの代に至るまで、オリンポスの神々の卑劣な策略に翻弄される…。ギリシア悲劇(エウリピデスの『バッコスの信女たち』)を下敷きにした、巨匠が描く異色のギリシア神話。また、この他に中編「カイネウス」を収録。初出は「ペンテウス」1975年、「カイネウス」1978年。
●その他のデータ/巻末に、川崎市市民ミュージアム漫画担当学芸員・細萱敦氏のエッセイ「白土三平の雌伏時代 -人間を、自然を、そして神を描く試み-」を収録。 -
昭和トラベラー
北見けんいち
フルカラー厳選77画&濃密エッセイ。
満州で生まれ、日本に引き揚げ
東京で親戚の家を転々とし、
ついに母と弟と暮らし始めた北見少年は、
日本経済とともに成長し、
激動の時代をのんびりと生きていきます。
あの頃の昭和の風景と出来事を
12か月順にフルカラーで77画収録しています。
漫画誌ビッグコミックで10年以上にわたり連載している
好評作品、待望の単行本化です。
昭和の出来事と暮らしとココロを
美麗イラストとエッセイで綴る、笑えて泣ける新感覚単行本です。 -
カムイ伝全集 カムイ外伝
白土三平
▼第1話/雀落とし▼第2話/飯綱落とし▼第3話/月影▼第4話/むささび▼第5話/五ツ▼第6話/木耳▼第7話/常風▼第8話/九の一▼第9話/暗鬼▼第10話/空蝉▼第11話/下人▼第12話/狂馬▼第13話/天人▼第14話/移し身
●主な登場人物/カムイ(夙谷の非人から天才的忍者に。現在は抜け忍として逃亡の日々)
●あらすじ/抜け忍・カムイの始末のため、日置領・竹間沢近辺の探索を命じられた三人の追忍。辻風のドド、矢張のソネ、荒草のハヤネと名乗る彼らは、それぞれ手裏剣、弓、吹き矢を得手としていたが、探索の傍ら、誰がスズメの群れを一度にたくさん打ち落とせるかを競い合うことに。すると、それを見ていた謎の乞食が「自分なら武器など使わず、もっとたくさん落とせる」と言い寄ってきて…(第1話)。
●本巻の特徴/抜け忍・カムイと追忍との、様々な秘術を尽くした死闘を描く連作集。第1巻は、第1話「雀落とし」から第14話「移し身」までを収録!!