プロジェクトの成功を受けて、室長に抜擢された結城こなす。仕事は順調で、重要なポストも任されている。でも、なぜか心の中には晴れない霧のようなものが渦巻いていた。その理由は、こなす自身にあった。これから自分は何を目標にしていけばいいのか、室長としてどのような姿勢で仕事に取り組めばいいのか、漠然とした不安に襲われていたのだ。そんな中、プロジェクトの男性メンバーの妻がこなすを訪ねてきて、夫の育児休暇を要求する。メンバーが働きやすい環境作りは重要、しかし公平性をどう保てばいいのか。こなすは誰にも相談できないまま、心と体を蝕まれていく。働く女性の葛藤を鋭くえぐる、痛快オムニバスシリーズ！