作者 : 白味噌 2件
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ハル遠カラジ
遍柳一 白味噌
- 雑誌:
- ガガガ文庫
たとえそれが、人でなかったとしても。
これでも私は、身のほどはわきまえているつもりである。
武器修理ロボットとして、この世に産まれた命。
本来であればその機能を駆使して人間に貢献することが、機械知性の本懐とも言えるだろう。
しかし、どうもおかしい。
人類のほとんどが消え去った地上。主人であるハルとの、二人きりの旅路。
自由奔放な彼女から指示されるのは武器修理のみに留まらず、料理に洗濯と雑務ばかり。
「やるじゃねえか、テスタ。今日からメイドロボに転職だな」
全く、笑えない冗談である。
しかしそれでも、ハルは大切な主人であることに違いはない。
残された時を彼女のために捧げることが、私の本望なのである。
AIMD――論理的自己矛盾から生じる、人工知能の機能障害
私の体を蝕む、病の名である。
それは時間と共に知性を侵食し、いつか再起動すらも叶わぬ完全停止状態に陥るという、人工知能特有の、死に至る病。
命は決して、永遠ではないから。
だから、ハル。
せめて、最後のその時まで、あなたとともに――。
第11回小学館ライトノベル大賞ガガガ大賞を受賞した『平浦ファミリズム』の遍柳一がおくる、少しだけ未来の地球の、機械と、人と、命の物語。
※「ガ報」付き!
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。 -
ボンクラーズ、ドントクライ
白味噌 大樹連司
- 雑誌:
- ガガガ文庫
恋もツンデレも知らなかった、あの頃の僕ら
あの頃の僕らは、恋がどんなものかも知らなかったーー。
ネットもケータイもまだ馴染みがなかった1999年、とある片田舎の高校。
主人公の肇とカントクは、夢だけは大きく「日本の特撮映画を変えること」だが、映画の撮影準備と称して憧れの特撮ヒーローになりきる「ごっこ遊び」に興じてばかりのボンクラ映画研究部。
そんな「撮らない」映画研究部に、わけありの美少女が飛び込んできてーー。男子ってやつは、バカで、むき出しで、まっすぐで、最低だけど最高だ!! 誰しもが通り過ぎる、恥ずかしく、苦く、痛々しい青春模様。
『放課後のロケッティア』『オブザデッド・マニアックス』の大樹連司が描く、ボンクラ少年の友情と恋。
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。