名前のない病気
宮川サトシ
「これを描かなければ、人生終われません」
これまで数多くの「家族」をテーマにした、ほのぼのエッセイ漫画を手がけてきた。しかし実は、今まで一度も作品に登場させたことのなかった兄がいた。
それは、実家に30年もの間引きこもる兄。そしてその引きこもりのきっかけを作ったのは、他でもない自分だった――。
兄に関わりたくない一方で、荒廃した実家に肉親を放置する罪悪感に苛まれる日々。親を失ってからも延々続く兄弟間の家族問題を、静かに生々しく描く。
「これを描かなければ、人生終われません」――著者自身がそう語る、宮川サトシの新境地。
第1回「スペリオールドキュメントコミック大賞」大賞受賞作品。