RIGHT×LIGHT10〜たゆたう方舟と泣かない英雄〜

RIGHT×LIGHT10〜たゆたう方舟と泣かない英雄〜
ポイント還元 ラノベ
作者
雑誌
価格
620pt/682円(税込)

初回購入特典 310pt還元

魔狼消失!? ケースケ絶体絶命の危機!!

瞼を開いた僕の視界は、少女の顔に占領されていた。肩まで切りそろえられた黒い髪。陶器のような白い肌。僕のよく知る女の子。
「未由?」
名前を呼ぼうとして、声が出せないことに気づく。僕の口は未由の唇に塞がれていた。
「よかった。起きてくれた」
唇を触れ合せながら呟く未由。その彼女の口元から赤い雫が伝う。瞳からは涙が零れる。
「未由、いったい何を……」
問いかけると、彼女はその表情に暗い影を宿しながら、少しずつ僕の傍から遠ざかった。背後に見えた景色は――動かない雲。張り付いた空、どこまでも続く白い砂浜。僕はここでずいぶん長い間気を失っていたらしい。
「啓介くんがすごく苦しそうで……全然目を覚ましてくれなくて……腕も、そんな状態で……見てられなくて……」
未由は震える声で言った。そして僕はひとつだけ「現実」を把握する。もう無いんだ。僕の――≪魔狼≫は。僕はもう「英雄」ではないんだ。途方にくれながら、未由とふたりきり、僕はその奇妙な世界のなかをとぼとぼとさまよい歩く。あてどなくその世界――アリッサの故郷である≪方舟≫の内部を、未由とふたりで歩き続けた。
ケースケ絶体絶命の第十巻。

※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。

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  • RIGHT×LIGHT〜空っぽの手品師と半透明な飛行少女〜
    ポイント還元 ラノベ

    価格:600pt/660円(税込)

    「だーれが、幽霊女ですって?」

    全寮制の学校に転校してきた中学三年生の啓介。彼は右手でコインを消す不思議な手品が得意で、クラスでも一目置かれていた。しかし実は、握ったものを本当に消してしまう魔力を宿していたのだった…!

    ※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
  • RIGHT×LIGHT2〜ちいさな占い師と白い部屋で眠る彼女〜
    ポイント還元 ラノベ

    価格:590pt/649円(税込)

    人気新人作、お待たせしましたの第二弾!

    魔法少女アリッサとの共同学園生活にもようやく慣れてきたケースケだったが、クラスメイト友月との三角関係は日を追うごとにヒートアップ&激化。そんなある日、ケースケは小学生の占い師・陽名に出会う。

    ※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
  • RIGHT×LIGHT3〜カケラの天使と囁く虚像〜
    ポイント還元 ラノベ

    価格:570pt/627円(税込)

    人気急上昇のゴシック・コメディ第3弾!

    朝ノ宮陽名、冬上雪絵と和解を果たし、ケースケはつかの間の平穏な学園生活を満喫していた。≪群れ≫の逆襲に備え、アリッサの下で修行を積むケースケ&友月。そんな矢先、放課後にオウルが出現……その真意は?

    ※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
  • RIGHT×LIGHT4〜嘆きの魔女と始まりの鐘を鳴らす獣〜
    ポイント還元 ラノベ

    価格:590pt/649円(税込)

    時が満ち、千年の悲願は成就される--!?

    ≪天使≫を復活させ「魔術」を再び世界に戻そうとする≪群れ≫たちのたくらみ。謎の魔術師ホリイ・ライトの出現によって、事態は加速度的に悪化する。そんなとき……肝心のアリッサは「恋の勉強」に夢中なのだった?

    ※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
  • RIGHT×LIGHT5〜求めし愚者と天喰らう魔狼〜
    ポイント還元 ラノベ

    価格:640pt/704円(税込)

    灼熱の魔術戦「天使王」編、ついに完結!

    「な、何であんたがお母様の名前を――?」魔術師ホリィ=ライトとアリッサ、ついに運命の邂逅を果たす。そして、アリッサの心に眠る「天使王」はいよいよ顕現するのか? 世界に魔術が溢れ出す、第1部完結編!

    ※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
  • RIGHT×LIGHT6〜揺れる未来と空渡る風歌〜
    ポイント還元 ラノベ

    価格:600pt/660円(税込)

    純粋無垢天然魔法少女の冒険! 新章始動!

    夏休みの直前、ケースケのもとへと届いたある手紙。それは、かつて共に戦い、痛みを分かち合ったひとりの少女からの私信だった。難病を克服すべく合衆国へと旅立った彼女に、再び死の闇が迫っているのだという……。

    ※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
  • RIGHT×LIGHT7〜飢えし血鬼と夏夜の炎花〜
    ポイント還元 ラノベ

    価格:620pt/682円(税込)

    秘められたもうひとつの物語が動き始める!

    太陽の光が、1年半ぶりに帰ってきた町を照らしていた……海難事故で家族をなくした啓介が、半人半狼となって蘇った妹と、アリッサ、友月を連れ、久しぶりに故郷の地を踏んだ。悲劇の過去と決着をつけるために……。

    ※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
  • RIGHT×LIGHT8〜散りゆく雪華と赤い月を仰ぐ夜鳥〜
    ポイント還元 ラノベ

    価格:590pt/649円(税込)

    未由って呼ばなくていいよ。だって私は--

    長い夏休みが終わりに近づき、僕はアリッサと由衣をつれて美傘市に帰ってきた。しかし、一か月ぶりに訪れた友月家の屋敷に友月未由の姿はない。留守番役の九棚(くだな)香織さんには「九月になれば未由様は帰ってきます」と言うが、僕は胸騒ぎを感じる。ただ一つを選べない僕は、何一つ守れないのではないか――と。学園生活が再び開始された登校初日。「ほんと!? あたし、ケースケと同じ学校に通えるの!?」長い髪を黒いリボンで二つに括り、制服を身につけたアリッサがクラスに転校をしてきた。でも、やはり未由の座席は空席のまま――。その日の夕暮れ時、やっと出会えた屋敷の前での未由と再会。しかし、明らかにその様子がおかしい。「私はもう未由じゃない」と宣言する彼女。もうすぐ友月家当主、友月未永(みえい)になるのだと。返す言葉もない僕は、未由が立ち去るのを見送ることしかできなかった……。つい先月まで一緒に笑っていたのに、果たして未由に何が起こったのか!? 満月の夜、闇の中で“魔王”が告げる――「さだめは、千年前から決められていたこと」。

    ※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
  • RIGHT×LIGHT9〜終わる宴と緑翼の宣告者〜
    ポイント還元 ラノベ

    価格:600pt/660円(税込)

    加速する魔法少女の恋心。決められない僕。
    二学期から転入してきたアリッサも学生鞄にだいぶ馴染んできた9月下旬。放課後、黒板に書かれた文字をアリッサが凝視し、僕に体を寄せて囁く。「ねえねえ、ケースケ。サンヨウサイって何? 面白そうね」“傘陽祭”とは傘陽学園の学園祭。そろそろクラスの出し物を決めなければいけない時期にさしかかっていた。さまざまなアイディアが出されたなかで、アリッサの目を引いたのは「プラネタリウム」。「星空を創れるの? あたしプラネタリウム見てみたい!」教室中に響きわたったその願いの声が届くかのように、圧倒的多数の票を集めて出し物はプラネタリウムに決定した。「ケースケのおかげ。あたしは心からそう信じてるわよ?」アリッサは笑う。「だって好きな人のことを信じるのは、当たり前でしょ?」さらに突然、そう問われて、僕は戸惑い、目を逸らしてしまう―――。近頃アリッサは、こんな台詞を唐突に言う。僕の心拍数を跳ね上げる「好き」を繰り返す。これはきちんと答えを返さなければいけない「好き」だ。でも僕はまだ返事をする言葉が見つけられない。もう一人、僕に同じ気持ちの言葉をくれた人――友月未由がいるから……。

    世界破局的大展開の魔法物語第9巻!

    ※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
  • RIGHT×LIGHT10〜たゆたう方舟と泣かない英雄〜
    ポイント還元 ラノベ

    価格:620pt/682円(税込)

    魔狼消失!? ケースケ絶体絶命の危機!!

    瞼を開いた僕の視界は、少女の顔に占領されていた。肩まで切りそろえられた黒い髪。陶器のような白い肌。僕のよく知る女の子。
    「未由?」
    名前を呼ぼうとして、声が出せないことに気づく。僕の口は未由の唇に塞がれていた。
    「よかった。起きてくれた」
    唇を触れ合せながら呟く未由。その彼女の口元から赤い雫が伝う。瞳からは涙が零れる。
    「未由、いったい何を……」
    問いかけると、彼女はその表情に暗い影を宿しながら、少しずつ僕の傍から遠ざかった。背後に見えた景色は――動かない雲。張り付いた空、どこまでも続く白い砂浜。僕はここでずいぶん長い間気を失っていたらしい。
    「啓介くんがすごく苦しそうで……全然目を覚ましてくれなくて……腕も、そんな状態で……見てられなくて……」
    未由は震える声で言った。そして僕はひとつだけ「現実」を把握する。もう無いんだ。僕の――≪魔狼≫は。僕はもう「英雄」ではないんだ。途方にくれながら、未由とふたりきり、僕はその奇妙な世界のなかをとぼとぼとさまよい歩く。あてどなくその世界――アリッサの故郷である≪方舟≫の内部を、未由とふたりで歩き続けた。
    ケースケ絶体絶命の第十巻。

    ※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。

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